2023/10/16 21:00

こんにちは。にほんごHACHIです。
10月14日(土)に開催された、
インバウンドツアー企画③、〜「中の家(なかんち)」編〜、をお届けします。


次はいよいよ、(個人的には一番楽しみにしていた)、中の家(通称、「なかんち」)へ。
お寺から、ここは歩いて20分ほど、移動します。

こちらは、深谷市出身の、「近代日本経済の父」と呼ばれる澁澤榮一が、生まれてから23歳まで住んだ家。
以前から、広報や雑誌などで見て知っていたつもりでしたが、想像していたより、かなり大きかったです。


あまり見たことのないくらい大きくて2階建ての土蔵が2棟、

その先にある、広い裏庭、竹林、石碑が並んでいます。


東門



中の家の正門を入って、主屋の前に、大きな池のある庭がありました。池には、鯉のファミリーがスイスイ、ゆったり、泳いでいて、その姿に癒されました。とっても素敵で、(個人的にはかなり)気に入りました。
にほんごHACHIのLINEオフィシャルアカウントでは、ここでの動画をアップしています。
もし見られる人は、見てみてくださいね。

中の家は、昨年に改装されたばかりで、きれいでした。

1階からの庭の眺め

アンドロイド製の澁澤瑛一が、生きているかのように、ガイドしてくれるシアターが2階にあります。




榮一が80代の設定で、生い立ちやふるさとの思い出、そして思想などを、映像、実際の写真と共に語ってくれます。詳しくは、行ってみてのお楽しみに!

個人的な感想ですが、その語りの中でも、年代によって(20代、30代、40代、50代、60代、70代まで)、どう生きるのか、どうなっているか、の言葉があり、自分の年代と今の自分を照らし合わせてみると、面白いと思います。


こちらは、相撲の番付を真似て、藍の生産や働きにより、格付けをして競い合わせた、若い頃の榮一のユニークなアイデア。この逸話は、大河ドラマでも出てきましたが、有名ですね。


こちらも、まだ江戸(今の東京)へ出る前の、若き頃の榮一とその仲間による、血判状。


見学の帰りには、石碑の前で、記念撮影されている人が結構いました。

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澁澤榮一
深谷市の農家に生まれた榮一は、人生を通じて、日本で最初の銀行をはじめ、約500もの企業の創業に携わり、育て、今の日本経済の基礎を築きました。現在の東京証券取引所を作ったのも榮一です。また、今回のツアーの資料には書かれていませんが、資本家としてだけでなく、慈善家としても恵まれない人々を支援する事業も行なっていました。
「経済と道徳を共に叶える」という、論語の思想を基にした理念は、今を生きる私たちにとっても、大きな示唆を与えてくださる、個人的に、尊敬する人物の一人です。
榮一の残した言葉では、例えば、
「富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ」

また、言語学的に興味深いのは、昔の日本の高位の人(天皇や武士の将軍など)は、自分のことを、「私」ではなく、「よ」と言うこと。榮一の書いた著作の中や、残した言葉などに、それを見ることができます。
ちなみに、スペイン語の「私」は、(偶然にも?)「yo」です。日本語と同じ発音や意味まで同じ外国語に出会った時、(私は語学を学ぶことを日課にしているので、結構それはあったりします)、そのルーツにも想像を巡らしてみるのも、時々、とても面白いです。
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